憩室症

憩室症とは大腸(結腸)の壁に小さな袋が形成される状態です。 袋のような構造からなる憩室は、結腸の筋力が低下した部分から生じます。 この問題は多くの場合、症状を引き起こさず、加齢に伴ってよく見られるものです。 しかし、結腸の袋が感染症にかかるリスクがあります。 炎症が起こった場合、その状態を「憩室炎」と呼びます。 憩室症を有する方の大半が憩室炎を発症することはありませんが、それでも決して珍しいことではありません。 直腸からの出血も起こり得ます。また、あまり一般的ではありませんが、「結腸炎」と呼ばれる結腸の炎症の一種が起こることもあります。

結腸と憩室症袋を示す下半身の輪郭。

ほとんどの人は症状がありません。しかし憩室症を有する方の中には、以下のような症状がある方もいます。

  • 腹部のけいれんや痛み

  • 膨満感

  • 便通の変化(下痢や便秘)

原因

憩室症(および憩室炎)の正確な原因は明らかになっていませんが、いくつかの要因がこの症状と関連していることがわかっています。

  • 繊維質の少ない食事 (しかし、これに同意しない一部の専門家もいます)

  • 便秘

  • 運動不足

担当の医療従事者が症状の管理方法について説明します。 食事内容の変更が、憩室症のコントロールと憩室炎になるのを防ぐのに有効であると考えられています。 憩室炎を発症した場合、他の治療が必要になる可能性があります。

在宅ケア

食物繊維を含むサプリメントを毎日服用するよう指示されることがあります。食物繊維は便のかさを増やすため、結腸をより通過しやすくするはたらきがあります。便軟化剤や 鎮痛薬の使用を推奨されることがあります。お薬を服用する際は指示に従ってください。

かつては、トウモロコシ、ナッツ、種子類を食べてはいけないと言われていましたが、 その必要はありません。

自宅で自身のケアを行う際は、以下のガイドラインに従ってください。

  • 食物繊維を多く含む未加工食品を食べましょう。 全粒穀物、果物、野菜がおすすめです。

  • 担当の医療従事者から水分摂取量を制限されていない限り、毎日コップ6~8杯の水を飲むようにしてください。

  • 便通の変化に注目しましょう。何らかの変化にお気づきの場合、担当の医療従事者にお知らせください。

  • 運動プログラムを開始しましょう。担当の医療従事者に開始方法をご相談ください。一般的には、ウォーキングが最適です。

  • 十分な休息と睡眠をとってください。

経過観察のケア

担当の医療従事者、または指示に従って経過観察を受けてください。 あなたの健康状態を確認するために、定期的な来院が必要となる場合があります。大腸内視鏡検査やS状結腸鏡検査など、特別な処置が必要となる場合があります。 必ずすべての予約に対し、来院してください。

便サンプルを採取したり、培養が行われたりした場合、陽性かどうか、治療法を変更する必要があるかどうかをあなたにお知らせします。 指示にある通り、結果は電話でお問い合わせいただけます。

X線検査を実施した結果、あなたの治療に影響を及ぼす可能性のある新たな所見があった場合、その旨をお伝えします。

抗生物質が処方された場は、必ず最後まで飲みきってください。

医療従事者の診察を受けるタイミング

以下のような症状が生じた場合は、直ちに担当の医療従事者にご連絡ください。

  • 100.4°F(38°C)以上の発熱 (または担当の医療従事者が指示した体温以上の発熱がある場合)

  • 腹部のひどいけいれん、または痛みの悪化

  • 左下腹部の圧痛、または腹部全体の痛みの悪化

  • 24時間以内に良くならない下痢、または便秘

  • 吐き気、嘔吐

  • 直腸からの軽度の出血、またはタールのような黒色の便

911に 電話してください

以下のいずれかが発生した場合、 911に 電話してください。

  • 直腸からの大量出血

  • 呼吸困難

  • 錯乱

  • 非常に眠気がある、または覚醒障害

  • 失神、または意識喪失

  • 心拍数の上昇

  • 胸の痛み

  • 突然の激しい腹痛

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