赤ちゃんの健康診断:9か月
この9か月健診では、医師が赤ちゃんを診察し、家庭での様子について問診します。このシートでは、健診内容について説明します。
発達とマイルストーン
医師は赤ちゃんについてさまざまな質問をします。診察では医師が赤ちゃんの発達について視診します。この視診では次のような項目を確認します。
授乳に関するアドバイス
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生後9か月ごろまでに、赤ちゃんの主な食事は「手づかみ食」になります。 |
生後9か月までに、赤ちゃんの食事には「フィンガーフード」のほか、お米のシリアルや柔らかい食べ物が含まれるようになります(以下を参照)。成長速度が遅くなり、少し痩せて脂肪が落ちます。これは問題ありません。食事が足りないわけではありません。赤ちゃんが母乳やミルクをよく飲むようにするアドバイスには次のようなものがあります。
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赤ちゃんがお腹いっぱいなときに食べ物を無理強いしないでください。食事中は、赤ちゃんがスプーンを拒否し始めたらお腹いっぱいのサインです。
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この月齢の赤ちゃんは、固形物を1日3回、母乳またはミルクを1日4~5回飲んでいるのが理想です。赤ちゃんが固形物を多く食べるようになると、母乳またはミルクを必要とする量が減っていきます。生後12か月ごろまでに、赤ちゃんの主な栄養源は固形の食べ物になります。
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赤ちゃんにシッピーカップでお水を与え始めます。シッピーカップとは、カップにハンドルと蓋が付いた赤ちゃん用のコップです。このコップは哺乳瓶の代わりにはなりませんが、コップの使用を始めるには最適な月齢です。
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赤ちゃんに牛乳はまだ飲ませないでください。ヨーグルトやチーズなどその他の乳製品は与えても大丈夫です。乳製品は全脂肪のもの(低脂肪または無脂肪ではないもの)でなければなりません。
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蜂蜜などの食品は、12か月未満の赤ちゃんには与えるべきではありません。これまでは、一般的に赤ちゃんがアレルギー反応を引き起こすとされている食品は避けるようにアドバイスされていましたが、現在は専門家は、早くにこれらの食品を与えた方がアレルギー反応のリスクを少なくなると考えています。何か質問がある場合は、医師に相談してください。
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フッ化物サプリメントを与えるべきかどうか医師に相談してください。
健康上のアドバイス
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赤ちゃんのウンチやおしっこに何か急な変化が見られる場合は、医師に伝えます。赤ちゃんに与える食べ物が変わるとウンチにも変化が見られる点は留意しておいてください。
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初めての歯科検診はいつするべきか医師に聞いてください。小児歯科医は、最初の歯が歯茎から出てきたら、最初の歯科訪問を行うことを推奨しています。この時点で赤ちゃんは歯科治療を必要としませんが、早くから歯科医に診てもらうことで、生涯健康な歯でいられる基礎を築くことができます。
睡眠に関するアドバイス
9か月の赤ちゃんは、日中ほとんどの時間を起きて過ごします。お昼寝は1日のうち1回か2回、1日の合計が1~3時間ほどです。夜は8~10時間の睡眠が必要です。睡眠時間がこれ以上またはこれ以下であっても、赤ちゃんが健康であれば問題はありません。赤ちゃんを寝かし付けるには
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夜ベッドに入る前に同じ行動をするようにします。ベッドタイムの習慣があると、赤ちゃんは寝る時間はいつなのか学習します。たとえば、寝る前の習慣としてお風呂に入る、授乳する、ベッドに入れる、といったようなルーチンです。ベッドタイムを設定して同じ時間に寝かし付けるようにします。
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シッピーカップや哺乳瓶は赤ちゃんと一緒にベビーベッドに入れないようにします。
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良く寝る赤ちゃんでも、この頃になると寝付きが悪くなることがあります。起きている状態の赤ちゃんをベッドに入れて、ベビーベッドで泣かせてそのまま寝かせてしまって構いません。どのぐらいの間泣かせておいても大丈夫かについては、医師に相談してください。
安全上の注意
赤ちゃんは今までに以上に動けるようになります。常に目を離さないようにします。常に赤ちゃんが何をしているか気を配るようにします。事故は一瞬の隙に発生します。赤ちゃんの安全を確保するには
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家の中を赤ちゃんに安全な環境にします。赤ちゃんが家具に掴まったり、つたい歩き(ものに掴みなが移動する)をしている場合、棚やテレビなどの大きな家具には転倒防止措置を施します。赤ちゃんが掴んだり引っ張った際に赤ちゃんの上に倒れる危険性があります。赤ちゃんのケガに繋がるようなものは赤ちゃんの手の届かないところに移動します。テーブルクロスやコードなど、赤ちゃんが引っ張りそうなものは気を付けます。赤ちゃんが居る場所の安全を確認します。
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窒息リスクのある小さなものを赤ちゃんの手に届くところに置かないでください。これには、おもちゃ、固形の食べ物、赤ちゃんがはいはいしている途中で目につく床に落ちているものが含まれます。ガイドラインとして、トイレットペーパーの芯に入れられる小さなものは窒息リスクとなります。
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テーブル、ベッド、ソファーの上など、赤ちゃんを高いところに乗せないようにします。落下してケガの原因になります。赤ちゃんが自分で寝返りを打てるようになってから、はいはいするようになってからは特に注意が必要です。
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車内では、ベビーシートは後部座席に後ろ向きに取り付けます。乳幼児は、できるだけ後ろ向きのベビーシートを利用するようにします。製品の体重制限の体重になるまでは後ろ向きベビーシートを利用します。ベビーシートの取扱説明書を確認してください。コンバーチブル型のベビーシートの多くは、2歳以上の乳幼児の身長と体重を後ろ向き設置の制限としています。
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この中毒症管理センターの電話番号は、冷蔵庫のドアなど、目につきやすい場所に貼り付けておいてください。800-222-1222。
予防接種
CDCの推奨に基づいて、この健診で赤ちゃんは次のワクチンを接種する可能性があります。
フィンガーフードの食事を作る
9か月にもなると、固形の食べ物をすでに数か月食べてきています。まだフィンガーフードを食べてさせていない場合は、この月齢から食べさせ始めてください。フィンガーフードとは、赤ちゃんが助けを借りずに自分で掴んで食べれるものです。(食べているときは必ず見ていてください!)小さく切ってあれば、ほとんどの食べ物がフィンガーフードになります。アドバイス:
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小さく切ったバナナ、桃、またはアボカドなど、柔らかい果物や野菜から試してみます。
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甘味料を含まないシリアルや、茹でて切ったパスタをいくつかあげます。
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チーズや柔らかいパンを四角くキューブ状に切ってあげます。大きく切ってしまうと、咬んだり飲み込んだりするのが難しいため、喉に詰まる可能性があります。
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人参などの硬い野菜は、茹でて柔らかくしてあげます。
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窒息リスクのある食べ物は絶対に与えないでください。赤ちゃんの喉のサイズおよび形状と同じような大きさの食べ物で窒息が多く発生します。これには、ホットドッグやソーセージ、飴、ナッツ類、生野菜、切っていないブドウの粒などが含まれます。その他の避けるべき食べ物については、医師に相談してください。
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赤ちゃんがハイチェアーで食べるときは、家族のそばで食べる習慣を付けます。キッチンのコーナー、または食卓の一角でも構いません。家族が食べているものと同じものを小さく切って(適していれば)あげてください。
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どのような食べ物をどのぐらいまで小さく切って与えるべきか、これに関する詳細は、医師に相談してください。
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