喘息を理解する

健康な肺

肺の中には、伸縮性のある組織でできた分岐気道が広がっています。各気道は筋肉の帯で包まれています。気道は、肺の奥深くに入るにつれて細くなります。最も細い気道は、最終的に小さな風船のような肺胞の集まりに至ります。これらの肺胞の集まりは血管に囲まれています。息を吸う（呼気）と、空気が肺に入ります。空気は肺胞に到達するまで気道を通って移動します。息を吐く（呼息）と、空気は気道を通って肺から出て行きます。気道は、吸い込んだ異物をキャッチする粘液を作ります。その後、気道を覆う細い毛（繊毛）によって粘膜は肺から押し出されます。1日のうちに、粘液は飲み込まれたり、咳と一緒に出されたりします。

肺の機能

吸い込んだ空気には酸素が含まれています。酸素が肺胞に到達すると、肺胞の周りの血管がこれを取り入れます。血液がすべての細胞に酸素を送ります。息を吐くと、同様の方法で肺胞の周りの血液から二酸化炭素が排出され、身体から二酸化炭素が出ていきます。

喘息

喘息のある人の気道は非常に敏感です。これは、気道がトリガーと呼ばれる特定のものに反応することを意味します。トリガーには、花粉、ほこり、または煙が含まれます。トリガーは炎症を引き起こします。これにより、気道が腫れ、狭くなります。これは長期的な（慢性的）問題です。呼吸の問題に気付くほど、いつも気道が狭くならない場合もあります。

慢性炎症の症状は次のとおりです。 

• 咳（慢性）

• 胸苦しい

• 息切れを感じる

• 喘鳴（特に息を吐くときの笛のような音）

• 低エネルギーまたは疲労感

一部の人々では、慢性的な軽度の炎症が、気道の持続的な（永続的な）瘢痕化および肺機能の喪失につながる可能性があります。

喘息のフレア・アップ

敏感な気道がトリガーによって刺激されると、気道の周りの筋肉が引き締まります。気道の内壁が腫れます。粘液が厚く粘着性が増し、気道を部分的に詰まらせます。これらすべてが呼吸を困難にします。

フレア・アップの症状には次のものがあります。

• 咳、特に夜。咳が出て眠れない場合があります。

• 疲れたり息切れしたりしやすい

• 喘鳴

• 胸の圧迫感

• 安静時の呼吸が速い

フレア・アップは軽度なものから、生命を脅かすものまでさまざまです。重度のフレア・アップでは、筋肉の引き締め、腫れ、粘液が悪化します。呼吸が非常に困難になります。身体が十分な酸素を得ることができず、二酸化炭素を排除することができません。廃ガスが肺胞に閉じ込められます。ガス交換ができなくなり。身体は十分な酸素を得られません。酸素不足になると、身体の組織、特に脳の組織が損傷し始めます。これが長く続くと、深刻な脳の損傷や死に至る可能性があります。

以下のような症状があり、またこれらの症状が処方薬によってもすぐに改善しない場合は、911に連絡します（または誰かに電話してもらう）。

• 呼吸困難

• 息切れが酷く話したり歩いたりできない

• 唇や指が青くなる

• 気を失う寸前のように、頭がふらふらしてめまいがする

• ピークフローメーターを使用している場合、ベストの数値の50％未満を示している

喘息の管理

喘息は長期にわって管理が必要な疾患です。医師と一緒に管理していくことが大切です。喘息がある場合、フレア・アップを予防します。医師と一緒に喘息行動計画を作成します。計画を立てておくと、喘息をコントロールし、症状の管理で役立ちます。喘息行動計画はあなた自身のためでもあり、また家族や友人にも喘息がフレア・アップしたり悪化したりした場合の対処法を伝える方法としても重要な役割を果たします。

医療用警告IDカードを持ち歩くかブレスレットまたはネックレスを着用してください。これは、医療スタッフがあなたの喘息を管理する際に、あなたが簡単に話すことができない場合に役立ちます。医療用警告IDには、お名前、喘息の診断名、喘息薬、アレルギー、緊急連絡先などが記載されています。

処方された通りに薬を服用してください。また、喘息のトリガーについても学びましょう。そもそも喘息がフレア・アップする原因を知ることは、将来的な呼吸の問題の発生予防にも繋がります。

喫煙している場合は、やめられるように禁煙サポートを探してください。電子タバコやベイパー機器は、肺のダメージに関連付けられているため、使用しないでください。

日常の問題が健康に与える影響

日常生活の中で、さまざまなことが健康に影響を与えます。交通手段、お金の問題、住居、食事へのアクセス、育児なども含まれます。医療機関の予約に間に合わないと、必要な治療が受けられない可能性があります。お金がないときは、治療薬を払うのが大変かもしれません。また、食料品店から遠く離れた場所に住んでいると、健康的な食品を購入するのが難しくなります。

これらに限らず、気になることがあれば、医師に相談してください。彼らは、あなたを支援するための地元のリソースを知っているかもしれません。あるいは、対応できるスタッフがいる場合もあります。